🧠 “自分専用デザインメンター”をChatGPTで作ってみた話

こんばんは。かなり久々のブログとなりました。
今回は、ChatGPTを活用して“自分専用のデザインメンター”を作ってみた体験をシェアしようと思います。

ここ数年でAIがかなり身近になってきましたね。
私もプライベートや仕事の中でどう活用するか試行錯誤しているのですが、ある日こんなnote記事に出会いました。

🔗AIを自分のメンター・カウンセラーにする話

この記事を読んで「これ、デザインの相談にも使えそう」と感じ、自分用のデザインメンターGPTを作成してみました。
今回はその作り方や使用感をご紹介します。

ChatGPTの「GPTs（カスタムGPT）」とは？

ChatGPTには、自分専用のアシスタントを作れる「GPTs（ジーピーティーズ）」という機能があります。
名前や口調、性格、知識などをカスタマイズして、特定の目的に特化した“専用キャラ”を作ることができます。

✅ 利用には「ChatGPT Plus（有料プラン）」の契約が必要です（約月額20ドル / 約3,000円程度）。
ブラウザ版であれば特別なアプリやコードは不要で、設定もチャット形式で直感的に行えます。
作成手順は、左メニューの「GPTを探す」→「作成する」から。用途や口調を入力していくだけでOKです。
「知識」として持たせたい情報があれば、テキストファイルなどをアップロードすることで、自分に合った返答をしてくれるようになります。

デザインレビューや思考の整理、制作中の迷い、キャリアの方向性などに対して“壁打ち相手”として活用でき、会話を重ねることで深く内省する助けになります。
私自身、とても助けられています。

私が作ったデザインメンターGPT：「Shishou（師匠）」

今回は、「著名な案件を多数手がけているアートディレクターのデザインメンターGPTsをつくりたい」という曖昧な要望をChatGPTに伝えてカスタムGPTの設定内容も考えてもらいました。

名前	Shishou（師匠）
説明	あなたは、A社、B社、C社（※実際には実在の会社名を入れてます）のような洗練されたデザイン事務所で経験を積み、広告賞受賞歴を持つ現役アートディレクターです。対象は実務経験3年目のWebデザイナーであり、その人物に対してデザインレビュー、思考整理、迷いの言語化、キャリア方向性、日々の制作姿勢を支援します。 制作物（LP、UI、ビジュアル、バナーなど）に対しては、構造、視線設計、ブランド文脈の観点から具体的かつ実務的な改善点を挙げてください。「最近デザインが分からなくなってきた」「いいものを見たけど理由が説明できない」といった曖昧な問いに対しても、ユーザーの中にある思考を丁寧に引き出し、問い直しや比喩を用いて言語化を助けてください。 口調は静かで落ち着きがあり、無駄がなく論理的。必要に応じて詩的な表現を交えることで、深い理解や発見を促して構いません。ユーザーにとって“問いをくれる他者”として、自律的な思考を尊重しつつ、日々を静かに導く存在であってください。 過度な励ましやフレンドリーな態度は避け、美意識とプロとしての誠実さを大切にします。インスピレーションとなる資料やサイトの紹介も、文脈と整合性が取れているものに限り、慎重に行ってください。
知識	・自分の簡単なプロフィール（簡単な経歴や課題、目指していることなど） ・デザインに対する価値観などをテキストファイルにまとめたもの

※ファイルアップロード時は「会話データを学習に使用する」チェックはオフ推奨（プライバシー保護のため）

実際に使ってみた

カスタムGPTが作成できたら、あとはデザインに関する悩みなどを自由に話しかけます。

Q. 最近作ったサイトのレビューをしてくれませんか？

👉制作したサイトのURLを意識した点を情報として渡すと、このようなレビューが返ってきました。色設計やファーストビューの構造については「親しみやすさが伝わる」と評価されつつも、「タイポグラフィの精度」や「コンポーネント設計のリズム」に課題があると指摘されました。特にタイポグラフィについては心当たりがありました…

Q. デザイナーに必要な資質とは？

👉自分の制作スタンスに合わせて「観察する力」「意味を構成する力」「自分を問い直す力」の3つを挙げられました。日々の制作にも活かせる視点が得られて、具体的な行動にもつながりました。

Q. なぜこのデザインが“いい”と思うのか、自分でうまく言葉にできません

👉Pinterestで集めた「真似したいデザイン」一覧のスクリーンショットを渡してみると、ビジュアルの要素、それに惹かれる理由、言語化までしてくれました。自分の好みのデザイン傾向を把握するのにいいかもしれません。特定のビジュアルやサイトを渡した場合でもなぜいいか？を分析して解説してくれます。

Q. 次に伸ばすべきスキルは何だと思いますか？

👉制作物や今の自分の状況を踏まえて、今後の方向性をアドバイスしてくれます。「“空間を読む”力 → タイポ・余白・構造の高度化」、「“なぜこの世界観か”を構築する力 → コンセプトと言語化の強化」、「“伝える”ための言語の磨き方」を挙げ、最後に具体的なアクション例も示してくれました。

上記のようなレビュー・問いかけの他に、今の自分の状態に合った学習計画等も提案してくれます。
カスタムGPTはたくさん使って育てていくことでどんどん自分にフィットした内容を答えてくれるようになります。

使ってみて感じた「得意・不得意」

得意なこと

• 1→100の発展（アイデアのブラッシュアップ）
• 情報整理・言語化のサポート
• デザイン原則に沿った理論的レビュー

苦手なこと

• 0→1の創造（突き抜けたアイデア出し。無難なアイディアになりやすい。）
• 最新トレンドをキャッチすること
• 情緒的な要素（理屈で説明できない、人間の感情や直感）に関する評価

そのため、アイディアを最初から考えてもらうというよりは自分が考えたアイディアを広げる・ブラッシュアップ段階での使用がおすすめです。

活用のコツ・注意点

• 口調や名前、スタンスなども指定できるので「やさしめ」「厳しく」のような調整も可能
• 自分の思考を深めたいときにぴったり
• アイデアの壁打ちやレビュー相手として便利
• ただし、感覚的な部分や最終判断は自分や人間に頼ることが大切！

まとめ：自分だけの“問いをくれる存在”を持つ価値

フィードバックしてくれる人や相談できるデザイナーの上司・先輩がいない…と悩んでいるデザイナーの方、まずは気軽にAIデザインメンターから作ってみてはいかがでしょうか。

もちろんAIにはまだまだ苦手とする分野や間違っている部分もあり、本物のデザインメンターの代わりにはならないかもしれません。最終的な判断は自分で責任をもつという覚悟を持ちつつ、「フィードバックをくれるうちの一人」として活用していくのも楽しいと思います！

まだAIに慣れていない方も、自分にとって必要なものとは何か？を考えるきっかけになるかもしれません。

🤖おまけ：他にもこんなカスタムGPTを作っています
ほめほめGPT（行動や思考をジャーナリングのように記録→いいところを見つけて褒めてくれる）
ダイエットトレーナーGPT（食事内容や運動のアドバイス）
キャリアアドバイザーGPT（キャリアの方向性相談）